40代の中間管理職として、部下の負担を減らしつつ、全体の生産性を上げるには、限られたリソースをどこに集中させるかを考えることが必要です。会社が少ない人数でうまく働いていくためには、本当に大事なお客さんとだけしっかり付き合うことがとても大切です。すべてのお客さんに同じように対応していると、人も時間も足りなくなってしまいます。
とはいえ、実際のところ私自身もこの「選別と集中」がうまく実行できていません。取引の見直しを上司に提案しても「売上が減るのでは？」という理由でなかなか理解されず、現場では対応を続けるしかない状況です。目の前の案件に追われて、改善の議論も先延ばしになりがちです。結果的に、顧客からの要望に応えるために部下の残業が増えてしまい、今度はその残業について上司から注意を受けるという、板挟みの毎日です。
このページでは、あまり良くない取引先をどうやって見分けるのか、そして取引をやめるときにどうやって伝えればお互いに気持ちよく終われるのかを、現場での経験や実例も交えて、できるだけ実践的にわかりやすく説明していきます。人手不足の中で、限られたリソースを有効に活かすためのヒントになればと思います。
見直しを検討すべき取引先の特徴
取引先を選ぶときに大事なのは、「この相手はうちにとってプラスになるかどうか」をしっかり考えることです。たとえたくさんのお金を使ってくれても、その対応にすごく手間がかかるようでは、かえってマイナスになることもあります。中間管理職として、現場の疲弊や時間の無駄を肌で感じる場面も多く、現実的な判断が必要です。以下のような特徴のある取引先は、少し注意して見た方がいいでしょう。
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いつも「もっと安くしてくれ」と強く言ってくる（例：毎回見積もり提出後に10%以上の値下げを要求してくる）
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担当者への言葉づかいや態度がいつも失礼で、ストレスになる
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お金を払うのが遅い、あるいは、支払いに問題がある
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無理なお願いをたくさんしてくるのに、こちらの利益は少ない
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連絡が遅かったり、話がうまく通じなくてストレスがたまる
このような取引先は、会社のスタッフの時間や気力をどんどん消費してしまいます。無理に付き合いを続けるよりも、一度立ち止まって「この関係は本当に必要か？」と考えてみることが大切です。
契約書の確認と社内の相談でトラブルを防ぐ
「もうこの取引先とはやめた方がいいかもしれない」と思ったときには、まずは契約書をしっかり見直してみましょう。契約には、「いつまでの契約なのか」「途中でやめても大丈夫なのか」「どのように相手に伝える必要があるのか」などが書いてあります。ここを間違えると、後でトラブルになることがあるので、慎重に進めましょう。
また、こういう判断はひとりで勝手に決めてはいけません。必ず上司や関係している部署の人たちと話し合い、「やめるべきかどうか」「やめるとしたら、どんな伝え方が良いか」などを相談して決めていきます。私たち中間管理職は、上と下をつなぐ立場として、会社全体の視点と現場の実情の両方を踏まえた判断が求められます。しかし、実際には上層部に現場の声が届かず、もどかしさを感じることも少なくありません。
やめることを伝えるときは丁寧にはっきりと
実際に取引をやめることを伝えるときには、失礼のないように、でもはっきりと意思を伝えることが大切です。相手にイヤな思いをさせないようにするために、以下の3つのポイントを押さえましょう。
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今までのお付き合いに対して、まずしっかりお礼を伝える
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社内の方針変更など、相手を責めずにすむ理由を使う
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「申し訳ありませんが…」という気持ちをきちんと伝える
たとえば、こんな文章があります。 「これまで長い間お世話になり、本当にありがとうございました。社内の体制や方針を見直した結果、大変申し訳ないのですが、今後のお取引を控えさせていただくこととなりました。どうかご理解のほどよろしくお願いいたします。」
伝え方にはいくつかの方法があります。どれを選ぶかは相手との関係性や重要度によって異なりますが、誠意を持って直接伝えたいという気持ちも非常に大切です。特に長年の取引先や関係性が深い場合は、対面で丁寧に説明することで信頼を損なわずに済むケースが多いです。
ただし、実務的にはトラブル防止や記録を残すという意味で、最初にメールで概要を伝えた上で、後日対面または電話で丁寧に補足説明するという流れが一般的です。メールだけでは誤解が生じる恐れもあるため、「メール→対面（または電話）」の順番で伝えることで、誠意と実務のバランスが取れます。
【伝え方の補足】
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メール：冷静に伝えられ、記録にも残るため、初回通知として適している
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電話：補足説明や感情面のフォローに適している。メール後に行うのが効果的
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対面：重要取引や信頼関係を重視する場面で有効。事前準備をして丁寧に対応
気まずくならないように終わるためのコツ
取引をやめるときに、「もう終わりです！」と突き放すように言ってしまうと、相手も嫌な気持ちになります。お互いに良い関係を保ったまま終わるためには、ちょっとした工夫が必要です。
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もし可能であれば、代わりの会社を紹介するなど、相手の助けになる提案をする
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今ある契約の期間が終わったら自然に終えるようにして、新たな契約は結ばない
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相手の言い分を一度しっかり聞いてから、「でも、うちでは対応が難しいんです」と伝える
たとえば、「おっしゃっていることはよく理解できますが、弊社の状況ではご希望にお応えするのが難しいため、今回の件はお断りさせていただきます」というように伝えると、相手も納得しやすくなります。最後には、もう一度お礼の言葉を忘れずに伝えるようにしましょう。
なお、断る側も精神的に負担を感じることがあります。「関係を壊してしまうのではないか」「悪者に見えるのではないか」と不安になるのは自然なことです。そうした気持ちを持ちながらも、会社とチームの健全な運営のために必要な判断であることを自分自身にも確認しながら伝えることが大切です。
現場の負担を軽くするための取引見直しのすすめ
スタッフの人数が少ない会社やチームでは、ひとつひとつの取引にかかる時間や手間がとても大きな意味を持ちます。もし、対応に時間がかかりすぎたり、精神的な負担が大きいお客さんにずっと関わっていると、他の仕事に影響が出てしまうことがあります。中間管理職としては、現場の働きやすさと結果を両立させるためにも、無理のある取引を見直す勇気が必要です。
実際のところ、上司からは「もっと効率的に」「残業は減らすように」と言われながら、現場では顧客の要望に応えないと評価が下がるというジレンマもあります。この矛盾をどうにかするためにも、現実的な線引きをし、無理のない取引を選ぶことが求められます。
だからこそ、「この取引は本当にうちの会社にとってプラスになるのか？」と定期的に見直すことが重要です。まずは、自社の取引先を一覧にし、対応コストや利益率などを整理してみましょう。無理に付き合いを続けるよりも、しっかりと契約内容を確認して、ルールにのっとって丁寧にやめる手続きをすれば、相手との関係をこじらせずに終えることができます。
少ない人数でもうまくやっていくために
今は、すべてのお客さんに同じように対応する時代ではなくなってきています。むしろ、「この相手には力を入れたい」「この人たちには一番いいサービスを届けたい」と思える取引先に集中して、良い関係を作っていくことがとても大切です。
今回ご紹介したように、あまり良くない取引先を見極めたり、付き合いをやめるときに丁寧に伝える方法を知っておくことで、限られた人数でも効率よく、しかも気持ちの良い仕事ができるようになります。私自身、40代の中間管理職として、こうした判断がチーム全体の成果に直結することを日々実感しています。とはいえ、理想と現実のギャップに悩むことも多く、実行には勇気と調整が必要です。
まずは以下のようなステップで進めてみましょう
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現在の取引先を一覧にする
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対応にかかる時間・コスト・ストレスを評価する
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社内での相談や合意形成を行う
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優先すべき取引先を明確にする
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フェードアウトや代替案の準備を進める
こうした手順を踏むことで、無理なく自然に見直しが進められます。これからの営業活動に、少しでも役立てていただければ幸いです。
ありがとうございました。
それでは―
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