共働きの妻がうつになりそうなときに40代男性が家庭でできることと支え方の具体策

共働き家庭に潜むストレスとその影響

今の社会では、共働きの家庭が当たり前になってきています。実際、近年では共働き世帯の割合が年々増えており、特に子育て中の家庭ではその傾向が顕著です。お互いに働くことで家計に余裕が生まれる一方、家事や育児、仕事のバランスに悩む家庭も増えています。とくに40代の男性は、仕事が忙しいあまり、配偶者の異変に気づかずに過ごしてしまうことがあります。その結果、配偶者が心の不調に陥ってしまうケースも少なくありません。

この記事では、共働きの配偶者が仕事のストレスでうつ病になりそうな時に、どのようにして早く気づき、家庭内でどう支えるべきか、そして自分自身が疲れすぎないようにするための工夫を紹介していきます。

うつ病のサインを見逃さないために

うつ病は「ただの疲れ」とはまったく異なります。心が深く疲れてしまって、前向きに考えられなくなり、何をしても楽しめなくなってしまう病気です。

本人が気づいていなくても、周囲の人が変化に気づけることがあります。たとえば、

以前より笑顔が少なくなった
趣味や好きだったことに無関心になった
外出を避けるようになった
「毎日しんどい」「眠れない」「頭が重い」などの体の不調を頻繁に訴える

こうした変化に気づいたときには、軽く「大丈夫？」と声をかけたり、一緒に話をしたりすることがとても大切です。話すことで、本人が自分の状態を自覚できるきっかけになることもあります。

無理に励まさず、優しい言葉で寄り添う

うつ病の兆しがある人に、「もっと頑張って」と励ますのは逆効果になってしまうことがあります。「もう十分頑張ってるのに、これ以上どうすればいいの？」と、かえって落ち込ませてしまうからです。

そのかわり、「つらかったんだね」「よく頑張ってるね」「無理しなくていいよ」といった、気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。相手の話を聞くときも、すぐにアドバイスせず、「そうだったんだね」と受け止めることが大切です。

言い方にも注意が必要です。「あなたはいつも○○だ」と言うと責められているように感じる人もいます。それよりも、「私は○○って思ったよ」と、自分の感じたことを伝えるIメッセージを使うと、より優しく伝えることができます。

たとえば、「なんでいつも機嫌が悪いの？」ではなく、「私は最近あなたの元気がないのが気になっているよ」と伝えると、相手に安心感を与えやすくなります。

家庭でできるサポートを増やしていく

心の不調を抱えた配偶者を支えるには、家の中で安心できる空間をつくることがとても大切です。たとえば、疲れているときは無理に家事をさせず、「今日はゆっくりしてていいよ」と休ませてあげましょう。

また、家事や育児の負担を減らすために、便利な家電を活用するのもおすすめです。食洗機、ロボット掃除機、洗濯乾燥機などを導入することで、時間にも心にも余裕が生まれます。購入時には家電量販店の実演やオンラインの口コミ、予算の目安なども参考にすると安心です。

さらに、家事の分担を「できる人がその時やる」ではなく、「誰が何をするかを明確に決める」ことで、負担の偏りを防ぐことができます。たとえば、「夕飯の片付けは月水金は夫、火木は妻」というようにルール化しておけば、お互いにイライラせずに過ごせます。

専門家への相談をためらわない

配偶者の状態が明らかにいつもと違う、もしくは2週間以上気分の落ち込みや不眠、食欲不振などが続いている場合は、早めに医療機関に相談することがとても大切です。

精神科や心療内科に行くのはハードルが高く感じるかもしれませんが、うつ病はきちんと治療を受ければ回復が可能な病気です。診察に付き添ってあげたり、病院探しを手伝ってあげたりするだけでも、配偶者の安心につながります。

最近では、カウンセリングや電話相談など、気軽に相談できる窓口も増えています。状況に応じて、そういったリソースも活用しましょう。

サポートする自分自身を大切にしよう

配偶者を支えるためには、サポートする側の体力やメンタルも健康であることがとても重要です。自分のことを後回しにしすぎると、支える側が疲れきってしまい、いわゆる「共倒れ」になってしまう可能性があります。

趣味を楽しんだり、友達と話したり、自分だけのリフレッシュの時間を意識的にとるようにしましょう。散歩をしたり、好きな音楽を聴いたり、おいしいものを食べたりといった、日常の中での小さな楽しみを大事にすることも、心を整える助けになります。

また、「誰かに話すこと」はそれだけで心を軽くします。もし話し相手がいないと感じる場合は、地域の相談窓口やオンラインのサポートグループを探してみるのも一つの方法です。

まとめ小さな一歩が家族を守る大きな力になる

共働きの中で配偶者が心の不調に陥りそうなとき、40代男性としてできることは本当にたくさんあります。日々の小さな変化に気づいてあげること、プレッシャーをかける言葉ではなく、安心できる言葉をかけること、家の中でのサポートを増やすこと、そして必要なときには迷わず専門家に相談すること。

その行動が、配偶者にとって「一人じゃない」と思える希望の光になります。それらを少しずつ積み重ねていくことで、配偶者の心の回復だけでなく、家族全体の安定と幸福につながります。

そして忘れてはいけないのが、自分自身の心と体もいたわることです。

「無理をしない」「一人で抱え込まない」「助けを求めることは弱さではない」――そんな姿勢を持ちながら、今できることを、今日から始めてみましょう。

あなたの気づきと優しさが、家族の笑顔と未来を守る大きな力になります。あなたができることは、思っているよりたくさんあります。

ありがとうございました。
それでは―